未来予測; トレンド予測,ヒット予測

未来予測; トレンド予測,ヒット予測

よくエコノミストが,「今はXX年頃のYYな状況と似ているので,これからZZになるでしょう.」という発言をしています.この推論は概念的な物で,通常の金融工学で扱う数値的な予測とは異なります.また,90年代の状況表現と現在の表現は,通常異なりますので,多様なレベルで過去の事例と現在の状況をマッチさせる必要があります.われわれは,この困難な推論に挑戦し,経済状態を新聞記事から抽出してその先に起こることを予測しました.

実験では株価変動を予測しました.システムは,学習時に一週間の記事と8日目の記事の関連性を記憶します.

予測実験時には,全く別の期間の1週間を入力し,その翌日の株価変動を予測します.


図は,ある年の株価の変動に対する予測結果を示しています.Aの位置では株価が上昇し、Bでは下降しています.この2か所についてのシステムの予測結果を示します.表は予測スコアの高い順に,1位から30位までの語を示しています.株価が上昇する直前のAの位置では,22位にRiseという単語が予測されていますが、下降を表す単語は予測されていません。株価が下降するBの位置では,Bad influenceとFallが予測されています。上昇を表す単語は予測されていません。

 

次に,ヒット商品の予測に関する成果を示します.この研究は,我々の研究室と大手広告代理店H社との共同研究です.ヒット商品の一例として映画を用いました.システムは1年分のニュースを入力とし、2年後のヒット映画の構成要素となるべき概念を「言葉」で出力します。 実験には,ニュース記事として約20年分の日経新聞を利用しました.予測精度を見てみましょう.


2009年に対する予測をしてみて,2009年のヒット映画の一つ“ハゲタカ”の内容と比較しました.“ハゲタカ”は,企業買収を題材にした映画です.予測結果を見ると,オレンジ色にハイライトされた merchant (商人) や trade (貿易)など,ビジネスに関する言葉がうまく予測されていることが分かります.念のため,前後3年間の2008年,2009年,2010年に対する予測を比較してみると, 2009年の予測結果が最も,“ハゲタカ”の内容と一致しており,2009年に対するヒットの要件を言い当てていることが分かります.現在私たちは,世相やマーケットトレンドの予測に取り組んでいます.

詳細は下記の論文をご覧ください.
1. Kazuaki Shimamura, Shinichiro Ito, Tomohiro Takagi,Hiroshi Yoshida, Tomoya Suzuki, Kaoru Kato, ” Predicting hit movie concepts using news articles”, The 2012 IEEE World Congress on Computational Intelligence 2012
2. Tomoki Takada and Tomohiro Takagi, “Predicting Future Events using Time Series Linguistic Data”, World Conference on Soft Computing 2011
3. Shinichiro Ito and Tomohiro Takagi, “Economic Trends Prediction Based on Linguistic Reasoning”, The 2010 IEEE World Congress on Computational Intelligence, 2010